リトルプリンス-星の王子さまと私-

リトルプリンス-星の王子さまと私-

感想・レビュー

原題:The Little Prince
2014年/フランス 上映時間107分
監督:マーク・オズボーン
原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
ストーリー統括:ボブ・パーシケッティ
脚本:イリーナ・ブリヌル,ボブ・パーシケッティ

キャスト(声の出演)
津川雅彦:飛行士(日本語吹き替え)
鈴木梨央:女の子(日本語吹き替え)
瀬戸朝香:お母さん(日本語吹き替え)
池田優斗:星の王子(日本語吹き替え)
伊勢谷友介:キツネ(日本語吹き替え)
竹野内豊:ヘビ(日本語吹き替え)
滝川クリステル:バラ(日本語吹き替え)
土師孝也:ビジネスマン(日本語吹き替え)
ビビる大木:うぬぼれ男(日本語吹き替え)
坂口芳貞:王様(日本語吹き替え)
壤晴彦:教授(日本語吹き替え)

[あらすじ]
現代を生きる少女を新たに主人公として設定し、原作の飛行士が老人となって登場。原作の物語を語りながら、原作のその後も描く作品になっている。新しく引っ越した家の隣に住む老人が気になる9歳の女の子。若い頃は飛行機乗りだったという老人は、昼間は飛行機を修理し、夜は望遠鏡で空を眺めて暮らしていた。2人は仲良くなり、女の子は老人から、砂漠で出会った星の王子さまの話を聞かせてもらう。しかし、やがて老人は病に倒れてしまい、女の子は老人が会いたがっている星の王子さまを探すため、オンボロ飛行機に乗って空に旅立つ。(以上、映画.comより)

こちらが予告編↓

[評価]

■脚本:6
■演出:7
■キャスンティング:6
■この映画えらい度:7
■好き度:8
■期待値とのギャップ:9
■総合:7

72点

/100

最近は自分の趣味や生き方を肯定してくれる映画が多くて助かります。『ありのままでいいんだ』とか『やりたいことをやりなさい』とか。
まあ、多少過大解釈はしていますが…
だから大好き!この作品!

-問題は大人になることじゃない、忘れることだ-

なんとない気持ちでみに行ったこの映画。とっても素晴らしい作品でした。
アニメーション映画というのはたいていの場合感動ありで、泣かせてくれます。そんな理由で劇場に足を運んだわけですが…

涙こそなかったものの、

記憶を人生の最初の頃まで遡らせてくれる

過去にない映画でした。
気がつけば幼かった頃の純粋な気持ちや、想像力はどこかへ行ってしまっていて、生きているのは誰かが敷いたレールの上。
勉強して、いい大学に入って、いい会社に入る。それが人生の目的で、昔描いていた壮大な夢や希望は愚かしいものだと言わんばかりに記憶の奥深くへ追いやってしまっているのです。それはよく「大人になることだ」と言われますが、実際想像力と大人になることは全く関係ないのです。問題は忘れること。大人になっても夢や想像力は仕事にも生活にも存分に生きるのです。
大人になった今も、昔のように自然な気持ちで、固定観念にとらわれずに夢や希望を追っていけるようになりたいと思いました。
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-「星の王子さま」の原作はそのままに-

「星の王子さま」の原作は何十年もの間多くの人に親しまれてきた作品です。愛が多ければ多いだけ、間違いを犯せばバッシングはとてつもないものになります。そんな恐怖がどうしてもつきまとうほどの作品なのは想像に容易いです。多くの映画がやってきてしまったように、原作の良さを崩してしまうなんてことは許されないほど有名な作品です。実際、今回監督を務めたマーク・オズボーンは『考えることさえ、とんでもない』と言ったそうで。。。そして尻込みしていたのはなにも彼だけでなく、はじめに権利管理者からゴーサインをもらった制作のフランス人3人でさえもそうだったのです。結果、このプロジェクトが始まってから8年の月日が経ってやっと、公開にこぎつけました。出版から72年、サン=テグジュペリ エステート(権利管理者)が初めて許可した「星の王子さま」のその後を描く物語が誕生したのです。
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それだけの期間練られただけあって、原作の内容も良さもすべてそのまま。映画の新しいストーリーとの区別もバッチリです。
女の子の世界はCGで、王子さまの世界はストップモーション。全くの別物だということは一目瞭然でありながら、ストーリーはシンクロしている。それはまるで「星の王子さま」を初めて読んだ幼少期を、少女を通して追体験しているような気持ちになりました。頭の中で描いていた物語が、美しいストップモーションで蘇る、それだけですごく価値のある映画だと思います。

少女が出会う隣の家の老人は、「星の王子さま」に出てくる飛行士「ぼく」だったのです。彼はいつか王子さまと再会することを夢見て、大人になった今も不思議な家で、ガラクタに見える宝物に囲まれながら飛行機の修理をしています。だからこそ、原作はあくまで過去の話。なにも崩さず、王子さまのストーリーは生きているのです。

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-少女は別れを学ぶ-

この物語は

『友に別れを告げることを学ぶ』

のがテーマです。
それは王子さまにとってのバラや、飛行士にとっての王子さま、少女にとっての王子さま、また単調だった昨日なのです。慣れ親しんだ友との別れはとても辛いけれど、それは決して完全な喪失ではないということ。現実的、物理的にそばにいなくても「心の絆」で結ばれているということを強く伝えています。
誰にでも訪れる別れにそっと寄り添うのが「星の王子さま」なのです。それをより分かりやすく、少女の目線で描き切ったのが「リトルプリンス」
『心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ』という有名な一節がありますが、失ったと思ったものは、「心で見ればしっかり見える」ということの裏返しです。大人になって失ったように思えることも、この映画をきっかけにもう一度見つけられるかもしれません。
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-「星の王子さま」の初めてが蘇る-

私が初めて「星の王子さま」に触れたのは、小学生の時の影絵のショーでした。あの頃はただの白い布に確かに宇宙を見ていた気がします。
そしていつまでも、ただの帽子でなく、ウワバミが像を飲み込んだ絵に見えるような人間でありたいと思ったものです。
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それもいつの間にか忘れてしまっていて、ただ年を重ねて大人になることの寂しさを思い知りました。「リトルプリンス-星の王子さまとわたし-」はそれに気づかせてくれるまさに「人生の一本」!本当に暖かい映画でした。

星の王子さま―オリジナル版
星の王子さま―オリジナル版


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