『グッドナイト・マミー』感想とちょっとした解説

グッドナイト・マミー

感想・レビュー(ネタバレあり!)

原題:Ich seh, ich seh
2014/オーストリア 上映時間99分

スタッフ
監督:ベロニカ・フランツセベリン・フィアラ
製作:ウルリッヒ・ザイドル
脚本:ベロニカ・フランツセベリン・フィアラ

キャスト

スザンネ・ベスト
エリアス・シュワルツ
ルーカス・シュワルツ
ハンス・エッシャー

[あらすじ]
美容整形により人格まで豹変した母親の正体を疑う双子の少年が引き起こす惨劇を描いたオーストリア製サイコスリラー。2014年のシッチェス・カタロニア国際映画祭ほか、世界各地の映画祭で話題となり、米アカデミー外国語映画賞にエントリーするオーストリア代表作品にも選出された。森と畑に囲まれた田舎の一軒家で母親の帰りを待つ9歳の双子の兄弟。ところが、帰ってきた母親は顔の整形手術を受けており、頭部が包帯でぐるぐる巻きになっていた。さらに性格まで別人のように冷たくなってしまい、兄弟は本当に自分たちの母親なのか疑いを抱くように。そして正体を暴くべく彼女を試しはじめるが、その行為は次第にエスカレートしていく。(以上、映画.comより)

こちらが予告編↓

[評価]

■脚本:8
■演出:6
■キャスンティング:8
■この映画えらい度:5
■好き度:6
■期待値とのギャップ:6
■総合:7

66

/100

-コメント-


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予告編の恐ろしさったらない。。。なんせゴキ◯リを食べてるんだから。そうとう頭のおかしくなったお母様なのだろうと、胸糞映画だと期待して借りたわけです。

圧倒的な母親の「ヤバい感」漂うビジュアル、そこから想像される過去は様々で、観客一人ひとりが自身の恐怖ストーリーを想像する。そうして出来上がった完璧にヤバい母親像をベースにして映画を鑑賞する。序盤の母親は、子供に厳しく、想像通り。しかし中盤、状況が変わってくる。子供達が母に疑問を抱き、様々な手で真相を探ろうとしだすのだ。母親は何者か、子供達は何をするつもりなのか。

一瞬も目が離せない高品質ホラー。

整形後の母親はどうして変わってしまったのか?それほど、衝撃的な事故にでもあったのだろうか?また、整形ということから、全くの別人が家にやってきたのかもしれない。など、様々な考えが巡る劇中。双子の子供たち同様、「お前はママじゃない」という視点で見ると本当に母親じゃないように見える。果たして真相はいかに。。。

-衝撃のラスト-

(以下ネタバレを含みます)

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この物語の衝撃のラスト、その真相は

「兄弟のルーカスはすでに死んでいる」

ということだった。それを知った上でもう一度見てみるとすごく納得のいくキーポイントがいくつもあった。感のいい方なら冒頭5分で見破れたかもしれない。

1「服が汚い」と指摘された時、ルーカスだけピカピカ。
2風呂上がり、母が注いだジュースはルーカスのための1杯だけ。
3ゲームをしている時、「子供が2人いる」というヒントに母は戸惑う。
4エリアスの声は基本誰にも聞こえない様子。

などなど。
しかし、鑑賞中は全く気にならなかった。なんせ、母がどうかしているんだとばかり思っていたからだ。そういう意味では予告編は見事なミスリードを誘っている。実は上述のあのシーン、ゴキ◯リが口の中に入っていったシーンと、クッキーを食べているシーンをつなげたもので、ゴキ◯リを噛み砕いたわけではなかった。(でもいや待てよ、口に入ったゴキ◯リは…?)
予告で見せられた母の以上行動のいくつか、例えば森で首を激しく揺らしいかにもホラーテイストに仕上がった映像や、腹を割いて出てきた大量のゴキ◯リ。これらは全て、子供の夢の中の出来事だった。ルーカスをないものとして生活する母への怒り、恐怖、疑念がそういった夢を見せたのだろう。つまり、

お母さんは、過去に囚われた息子に苦しむ、事故後間もない傷心のかわいそうな普通の母だったのだ。
-ホラー映画に双子は反則-

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シャイニング(1980)同様、双子というのはじっと黙って立っているだけで、どこかミステリアス、さらにはちょっとした恐怖感さえ与える。今回も見分けのつかない男の子二人が、母をじっと拷問していく姿は2割、3割り増しで恐ろしかった。さらに今回はストーリーの核心をうまく隠すための材料にも一役買っていた。

-感想・まとめ-


予告編から完璧に騙された「グッドナイト・マミー」素晴らしい作品だった。ただ、あまりに期待しすぎたためか、「普通の母」にがっかりしてしまったのは否めない。あれだけのビジュアルで害虫を食べ森で裸になり暴れる母が何もせず、ただただひ弱な姿をさらす姿は正直残念だった。

しかし、ただ、ホラーサウンドや、映像で脅かすようなホラーではなくより人間的な恐ろしさで迫ってくる感じはすごく良かった。「結局人間が一番怖い」なんていうが、まさに今回はそれを思い知らされた。さらに、相手が後先を考えない「子供」ということも相まって余計に「勘弁してくれ…」という思いの連続だった。斬新な方法で母を押さえ込む姿は恐ろしいながら、必見。「未体験ゾーン映画の映画たち2016」にも選ばれた本作、レンタルが開始されましたのでぜひご覧ください。






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