『恐怖ノ白魔人』子供達の犯罪への意識が低すぎて震える

恐怖ノ白魔人

感想・レビュー

原題:Aux yeux des vivants
2014/フランス 上映時間90分

スタッフ
監督:ジュリアン・モーリーアレクサンドル・バスティロ
脚本:ジュリアン・モーリーアレクサンドル・バスティロ
音楽:ラファエル・ジェスクア

キャスト
アンヌ・マリビン
セオ・フェルナンデス
フランシス・ルノー

[あらすじ]
退屈な学校を抜け出したダン、トム、ビクターの親友3人組は、廃墟となった映画ロケスタジオに忍び込む。3人はそこで、謎の男が女性を拉致しているところを目撃してしまう。少年たちは男から口外しないよう約束させられて帰宅するが、何者かが彼らの後を尾行していた。そしてその晩、彼らの身に想像を絶する恐怖が降りかかる。(以上、映画.comより)

こちらが予告編↓

[評価]

■脚本:4
■演出:6
■キャスンティング:5
■この映画えらい度:3
■好き度:4
■期待値とのギャップ:3
■総合:5

43

/100

『「学校つまらねえー!」とアウトローに遊ぶ少年達が見つけたのは、女性が拉致されている現場だった!』というプロットは「スタンド・バイ・ミー」らしい青春映画にホラーをミックスしたようなでものすごく惹かれました。

監督ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロは『ABC・オブ・デス2』の監督です。
ちなみに『ABC・オブ・デス2』とは、世界各国から集められた気鋭のホラー監督たちが、それぞれ割り当てられたアルファベットから発想される「死に方」を描いていくホラーオムニバス「ABC・オブ・デス」の第2弾。その中で彼らが撮ったのが”X”=Xylophone(木琴)。
この作品でも賑やかしく木琴を叩く子供を残虐に殺し、バラバラにし、子供の骨を木琴代わりにして叩くという救いようのない(褒め言葉)グロさを存分に発揮していました。

abcs-of-death-2-x-is-for-xylophone-babysitter-kills-girl-review

そんな彼らの新作が「恐怖ノ白魔人」他にも「リヴィット」、「屋敷女」などを撮ってきた彼らだが、私は鑑賞できていません!ちなみに、IMDbでの各作品の評価は「リヴィット」が5.7、「屋敷女」が6.9で「恐怖ノ白魔人」は5.3と最低評価。。。まあ、参考までにどうぞ!笑

プロットは大変興味をそそられる本作ですがまず良かったところから。

-斬新なグロ描写に関心-


 

白魔人2

この映画はプロットに惹かれレンタルしましたが、観ていて楽しかったのは斬新なビジュアルでした。
冒頭でいきなり度肝を抜かれます。「女性拉致モノじゃなかったっけ?」と思わせる始まりに戸惑い、なんだか気分が悪そうな男に注目していると、そこへ突然のフルスイングバット。妊婦が男をメッタメタにするんです…彼女は本物の妻だったのか? 家もしっかりしていたので多分そうだと思いますが、生まれてきた子供の異様さに気が狂ってしまったその女は腹に宿った子供をナイフで刺し、自分の命をも絶つのでした。

その後も大の男の口に足を入れて息の根を止めたり、腕についた巨大な鎌のようなモノで鼻から下をざっくり切り落としたり。きもちの悪いグロさには大変満足できました。
白魔人3

かと思えば、アンガールズよろしくナヨナヨな殺人鬼が子供の母親を平手でバシバシ叩いたり、食洗機に入れられたあかちゃん救出にやたら時間がかかったり、殺人鬼のいる家からちっとも逃げようとしなかったり、ストーリー面ではムズムズしましたね。。。ストーリーに関しては後述します。

そんなわけで、殺しかた、武器、また犯人の被っているマスクなど美術面や、時々スローになる映像の感じはとてもおしゃれな映画に仕上がっている印象でした!

-問題はストーリー…少年たち、お前らのせいだぞ…-


 
theo-fernandez

確かに映像は良かったし、大元のストーリーはすごく面白いものだと思います。やり方によっては、2倍、3倍と傑作に近ずいたんじゃないかなあ、という感じが拭えません!

まず、犯罪現場を発見した子供達、

一度は女性を救おうと正義感をみなぎらせるわりに、一度警察や大人たちに信じてもらえないとわかると、それ以上訴えることをしません。せいぜい寝る前に「…本当だよ?…」と言う程度。「あの人殺されるかもよ…?」と言っていたじゃないか!分かっているのになぜすぐに、諦める!? あらすじを読んだ感じでは、犯人に脅されるなりなんなりするのかと思ったんですが、特にそういうことでもない。一度は追いかけられるも、すぐに警官に拾われ、普通に家に帰り、ベビーシッターにムラムラしたち、ピクニックなんかをしたりなんかして優雅に過ごしているんですよね… 殺人犯も恐ろしいけれど、今作に関しては子供の無関心さの方によっぽどドキッとしました。

あとは根本的なことですが、

殺人犯の同期が全然わからない。もちろん、拉致現場を見られたから、その少年たちを「消す」ということなんですが、じゃあそもそも拉致する必要はあるのか…?と。。。母親が死んでしまったから「新しい家族を…」ということなんでしょうが、縛り上げられ、血まみれでソファに座っているだけの母親は果たして必要でしょうか。まして人を殺してまで必要な存在だとは到底思えないんですよね。

また、逃げる側にも不審点が幾つかありました。

一人目、二人目の家庭は一瞬で終わることもあり行動自体に疑問はありません。(せっかく親友3人という設定なのにあまりにもあっさり過ぎますが…)
ただ、父、母、息子に妹と人数的にも、家庭内情的にも一番まともなメインストーリーの家族、こいつらが本当にマヌケで「何をやっているんだ!」と叫びたくなりました。。。「ベットに知らない人がいる!」と急いでベットを出たまではいいんですが、夫、父が殺されかけているのに誰も助けない、赤ちゃんが閉じ込められている食洗機らしいものの扉が一向に開けられない、せっかくの攻撃チャンスも一度殴るだけ、気絶しているすきに逃げるのは近くのテーブルの下…10回ぐらい殴ってから、「外に」逃げなさい!と、まあイライラせざるをえませんでした。母親が脇腹を刺されていたため、動けないのかと思いきや、娘がさらわれて外に向かうとき、バリバリ走って「help!!」って…

つまり、いろんなことにエビデンスが足りない!

どれもこれも「なんで?」となるんですよね。ホラー映画はただただ残虐にするか、練りに練られた脚本をたてるか、どちらかに(もしくは両方)しなければ満足度はついてこない。。。ビジュアル面では圧倒されたが、R18指定にするほどのグロさでもないし、殺人鬼にカリスマ性があるわけでもない、オシャレになりすぎたホラーだったため観ている間は楽しかったが、鑑賞後、何を観たのかがよくわからなくなりました。

そうはいっても、あまり深く考えなければ楽しめる映画でした!これだけ文句を言っておいてなんですが、こういう無謀な映画は嫌いじゃないです!笑
レンタルが開始されている作品ですので、ぜひ友人やスプラッター好きな恋人と「ああでもない!こうでもない!」と言いながら観てみてはいかがでしょうか。

恐怖ノ白魔人 [DVD]
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