『ズートピア』深い…現実と夢のストーリー内での共存が素晴らしい傑作。

ズートピア

感想・レビュー(ネタバレなし)

[評価]

■脚本:9
■演出:9
■キャスンティング:7
■この映画えらい度:8
■好き度:8
■期待値とのギャップ:7
■総合:8

81

/100

 

原題:Zootopia
2016/アメリカ 上映時間109分

スタッフ
監督:バイロン・ハワードリッチ・ムーア
共同監督:ジャレッド・ブッシュ
製作:クラーク・スペンサー
製作総指揮:ジョン・ラセター

キャスト(声の出演)
ジニファー・グッドウィン:ジュディ・ホップス
ジェイソン・ベイトマン:ニック・ワイルド
イドリス・エルバ:チーフ・ボゴ
ネイト・トレンス:クロウハウザー
J・K・シモンズ:ライオンハート市長

[あらすじ]
動物たちが高度な文明社会を築いた世界「ズートピア」を舞台に、ウサギの女の子ジュディが夢をかなえるために奮闘する姿を描いたディズニーアニメーション。監督は「塔の上のラプンツェル」のバイロン・ハワードと「シュガー・ラッシュ」のリッチ・ムーア。どんな動物も快適な暮らしができる環境が整えられた世界。各々の動物たちには決められた役割があり、農場でニンジン作りに従事するのがウサギの務めだったが、ウサギの女の子ジュディは、サイやゾウ、カバといった大きくて強い動物だけがなれる警察官に憧れていた。警察学校をトップの成績で卒業し、史上初のウサギの警察官として希望に胸を膨らませて大都会ズートピアにやってきたジュディだったが、スイギュウの署長ボゴは、そんなジュディの能力を認めてくれない。なんとかして認められようと奮闘するジュディは、キツネの詐欺師ニックと出会い、ひょんなことからニックとともにカワウソの行方不明事件を追うことになるのだが……。(以上、映画.comより)

こちらが予告編↓

コメント


なんだか、ディズニーのお城のロゴというんでしょうか、キラキラ〜と星が流れるあの映像を見た時にすごい違和感を感じたんですよね。
キャラクターとかメッセージ性とかがどことなくピクサー寄りというか。だからこそ、お城のロゴ(Disney)じゃなくて、月の上に座り釣りをする少年(Dream Works)をどっかで待っていたというか。ディズニー作品だってことはわかっていたんですけどね。表面のわかりやすいメッセージに「夢を追うこと」があるのでディズニーらしいというには十分ですが。

しかし、何と言ってもその奥に隠されるように描かれる深いメッセージがとっても重い!小学生にはわかるはずもないような現代のアメリカを象徴するメッセージがたくさん詰め込まれています。かわいいジュディというキャラクターが「夢を追う」過程で社会の闇もしっかり描くという、アニメーション映画内でのこの共存は素晴らしい!

人種にドラッグ?ズートピアはあまりにリアルな人間社会


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「ズートピア」で描かれるメインのメッセージ、それは「夢は追い続ければ叶う」という、やり尽くされたプロットです。特にディズニーではありがちというか、これしかないというほど描かれてきたテーマです。最近の現実志向のディズニー作品から、また昔の夢見がちなストーリーに戻ったのかなあと思っていました。しかし、鑑賞してみてびっくり、ディズニーは一歩先にステップアップしたと言っていいのではないでしょうか。というのも、一見「夢見がち王道ディズニーストーリー」なんですが、大人なら「おっと、これは?」と読める社会的メッセージが含まれているのです。つまり、子供がみればかわいく楽しいハッピーストーリーですが、一緒に来た大人も存分に考えさせられる「アカデミー賞雰囲気」の作品なのです。

ズートピアに内包されるのは「人種問題」「ドラッグによる人格崩壊、社会の崩壊」など今まさに世界で起こっている問題が内包されているのです。しかも表向きのメッセージを併せ持ちながら!ただただ現実志向じゃない、そこにディズニーらしい華やかなメッセージも存分に描ききっていることが素晴らしい。

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例えば「アナ雪」が話題になったのは「真実の愛」を男性に求めず、「姉妹愛」に持っていくことで「いつか王子様が…」ということに否定的でした。それは現代の女性の社会進出や男性に媚びずに生きていける女性というものを前面に押し出した結果だと思います。社会的には当然推奨されるべきですが、例えば幼き少女の夢を奪ってしまう結果になってしまうなら、心無い批評家にバッシングを受けてでも子供の夢みる世界を描いて欲しいと思ったのが実際のところです。。。そんな中公開されたのが「ズートピア」。まさに、子供に夢を与える映画であり、社会問題への意見も含んでいる。ディズニー映画のあるべき姿が、ここに来て実現したと思いました。まあ、そうは言っても何十年も経てば「この映画はこんな描写がよく無い」何ていう「シンデレラ論争」的なことは起こるんでしょうが…少なくとも”今”だけ見れば夢と現実の共存は素晴らしいの一言です。

ただ、ズートピアでは多種同士の生物が共存するということで、我々の人種間の問題を暗示していると思われるのですが、よく考えてみれば人間は同種同士の争いを繰り返しているんですよね。肌の色が違う信仰が違うと訳も分からないことで差別し合っているのです。草食のジュディが肉食のキツネを偏見の目で見るのと、ジュディが色の違うウサギにハブかれるのは全く違ったことなのです。つまり映画で描かれる偏見は人間がライオンを敬遠することなのです。それさえも共存に導いたズートピア、まさに魔法ににかけられた世界、そこにディズニーらしさがあるのかもしれない…深い…

感想


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この映画はウサギのジュディの可愛さだけでも十分に成り立つ作品です。ジュディかわいいなあ…と言っている間に映画は終わります。ズートピアに来ると一層目立つジュディの小ささは、それだけで愛おしくなってしまう、あの小ささで警察学校を卒業できたことだけで泣けてくるんです。皆に馬鹿にされ、両親にさえ「諦めることの幸せ」を説かれても、「私は絶対に諦めない」と信念を貫き通すのです。彼女が女性であること、「偏見を持たずに能力を見て欲しい」ということは現代の女性社会進出を表しているけれど、そんなことを無しにしてもじゅぶんに面白い作品でした。実際、性差別を受けた経験や、人種差別を受けた経験がない自分にとって、このテーマは感情移入しきれなかったのが正直なところです。自分は大概アニメーション映画では泣けるんですが、今回はじんわりはきたものの、涙は流れませんでした…

ある意味すごく現実的な世界、魔法にかかったような感じはなかったと言うところです。しかし、今回の作品は今まで以上に教育映画としての素晴らしさが際立っていたと思います。それは子供に向けた無邪気な想いだけでなく、大人に向けた、トランプが大統領になろうとしている今のアメリカに、世界に向けたメッセージです。これを見てどう感じるのか、それを語らうのもいいかもしれませんね。一体どうなることが世界のためなのか。世界…深すぎますわ。。。
深いことを考えても、考えなくても楽しめる「ズートピア」4/23より絶賛公開中ですので、ぜひ劇場で!

ディズニー ズートピア ビジュアルガイド
価格:1404円(税込、送料無料)






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5 comments

  1. That is some inspirational stuff. Never knew that opinions could be this varied. Be certain to keep writing. gadcdaccfaed

  2. ピクサー寄りの作風にドリームワークスのロゴを期待?なぜですか?
    ピクサーとドリームワークスは作風も会社としても全く別モノですが…

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