「ヴィジョン、人間になる」今後の勝手な”ビジョン”

MCU最新作として公開された「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」。星条旗を着た超人キャップの最新作で完結作。単体作品にして過去最大数のヒーロー出演は、MCUの求めていた境地に到達したとも言えるのではないだろうか。そんな中、ひときわ異質な雰囲気を醸し出しているのがヴィジョン表皮は深い緑と漆黒の赤。以前『エイジ・オブ・ウルトロン』ではマントを付けてみたりしたが、本作では衣類を着用しているのがおかしくて仕方ない。しかも服なんかを着るってことは馴染みのあるあの姿はいわば裸だったのだろうか。何にしても彼が服を着たことで一見人間に近づいたようにも思える。というか、全く人間には見えないが、人間としてみてあげようという気持ちにさせられた。シャツからむき出しになるあのグロテスクな顔面はいわばピエロとでも言おうか、おかしくて仕方ないのは否めないし、観客全員が「そいつに服を着せるな」と思ったことだろう。そんなヴィジョン、彼自身「シビル・ウォー」で人間になろうとしているように見えた。そして彼が、『インフィニティ・ウォー』でどのような活躍を見せるのか、人間らしくなるなることの弊害、シビル・ウォーから見える彼の今後の展望を勝手な解釈で書いていく。ちなみに、原作は全く読んでいないので、その辺のエビデンスは全くない、あしからず。そこそこ長くなってしまったので、太字のキーワードなんかを目安に見ていただければ幸いです。

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感情の目覚め、それは”愛”


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何よりもヴィジョンが人間らしくなった、なろうとしたのは明らかにワンダの影響だろう。原作だと恋人同士になるらしい二人は、親密な感じがしたし登場が決定した時点で以前から話題になっていたことである。二人が恋人なのかどうかは、今の所はっきりとした描写はないはずだが、それをほのめかすように「エイジ・オブ・ウルトロン」では、ワンダをヴィジョンがお姫様抱っこで救出するシーンが、「シビル・ウォー」では二人で楽しクッキングするシーンがある。いわば友達以上、恋人未満といったところだろうか。圧倒的な能力を有する二人は似た者同士で気が休まるだけなのかもしれないし、同じインフィニティーストーンから得た力を持つ者同士、ある意味兄妹のようなつながりもあるのかもしれない。何にしても一緒にいることが多い二人は惹かれあっているように見えた。またワンダを市民が恐れてしまうのは人間の脳の機能上仕方ないということを言い慰めようとし、「脳のない私にはワンダを恐れてしまうことはないよ」と自虐的に語るシーンがある。それはもちろんAIとしての事実でもある一方、「君のためなら世界をも敵に回せる」なんて臭い台詞があるように、「相手を大切に想っているから愛おしさしかない」という愛は盲目的な側面もあるのではないかと思う。この一文は、単にヴィジョンがユーモアで慰めようとしているだけでなく、彼の心からの言葉なのかもしれないのだ。もちろん今までの言葉が心から出たものではないというわけではないが、常に大局的な見地から、計算された答えを導き出すヴィジョンが、初めて感情を込めた言ってしまえば偏った意見を口にした瞬間だったのだ。

元気付けようと料理をして、「ひとつまみ」という人間独自なさじ加減に苦悩するヴィジョン、人間の思考になりきれず壁を通り抜けて突然現れ怒られるヴィジョン、それらはとても愛らしく、未だナイーブな生まれたての子供のような片鱗ものぞかせるのだ。いわば彼は成長途中。彼はかつてこんなことを言っている。「人間は欠点も魅力だ」と。彼はAIながらに人間の愚かさを見て、そこに魅力を見いだしているのだ。そんなヴィジョンは「シビル・ウォー」のその映画中盤、空港のバトルシーンで明らかに何かに目覚めたのだった。それはかつて「欠点だ」と言っていたものなのだ。その欠点、つまり人間の魅力は確実に彼を弱らせた。そして初めて「気がそれる」という事態に陥る。そのことが原因でチームのローディーに致命的な傷を負わせることになったのだ。愛が世界を救うというのは、ヴィジョンの場合当てはまらないのかもしれない。彼の強さは、生まれたてナイーブな、物事の見方に偏りがないことにあるからである。さらに言えば、彼ほどの力を持っているものが感情に左右されるなら、それこそ脅威になり得る。つまり、ヴィジョンが人間らしくなることは、明らかに力の減退、世界の崩壊につながるのである。

ヴィジョンらしさの欠如が『インフィニティ・ウォー』のキーポイントか?


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彼が人間らしくなることで、今までの強さは保たれるのだろうか。というのも、アベンジャーズメンバーが誰も持ち上げられなかったソーのハンマー、ムジョルニア。それをいとも簡単に持ち上げて見せたのは記憶に新しいが、それは彼が良い者だということを示すだけでなく、ヴィジョンらしさ、つまり生まれたてナイーブでどんな欲望にも左右されていなかったことや、彼がAIから生まれたいわば機械であるということに由来するはずだ。つまり、人間らしくなることで、ムジョルニア持ち上げるのにただ一つ必要なWorthy、ふさわしさが失われるのではないかということが懸念されるのだ。なんたってあの高潔なキャップでさえ持ち上げられなかったのだから、「人間である」というだけでWorthyからは離れていくのだ。

ヴィジョンがムジョルニアでウルトロンを空高く弾き飛ばしたシーンの後で「振りにくいな…」というようなことをいう。そのあとに続くソーのセリフは「重すぎると振りぬけないだろ」というようなもの。このセリフから、もしかしたらヴィジョンの方が軽く持てていたのかもしれないということがうかがえる。例えば、おもちゃのトンカチを思い浮かべてもらいたい。全てがプラスチックで作られた、ハンマーの部分さえ軽いものだ。それで釘を打とうと思っても、なかなか力が伝わらず、「振りにくい」と感じるだろう。深読みしすぎなのは承知だがつまり、相応しくない程重くて持ち上げられないムジョルニアをソーより軽く振れたのならば、もちろん筋力の問題もあるだろうが、話の流れからするとヴィジョンの方が相応しかったのかもしれないということだ。またはその後、映画ラスト付近で「エレベーターがムジョルニアを乗せたまま上階に上がれるのは、相応しいからか?」という議論で「それは違う」という結論に至った。エレベーターはただの機械であり、Worthyどうこうの議論からは外れるという結論だ。ヴィジョンの場合は意思があるので、人間として相応しいかどうかの議論も、またAIということでエレベーター同様、機械としての議論も当てはまる。ハンマーが判断したのはどちらの側面かわからない。そのどちらかかもしれないし、両方なのかもしれない。しかし、今回のヴィジョンが人間らしくなったことで少なからず不純な気持ちが生まれたり?とか、かつてのナイーブなヴィジョンでは明らかにないわけで、またそのことに準じてAIとしての良さも失うことになる。感情の欠如、それがある意味対極的なものの見方をさせていたのに、それさえも難しくなるのだ。そんな彼が今後も『エイジ・オブ・ウルトロン』の時のような圧倒的強さを発揮できるのだろうか。

最大の謎は額のマインドストーン


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『インフィニティ・ウォー』で確実に敵側に渡るだろう額のマインドストーン。ヴィジョンから直接的に取られるのか、または何かしらの裏技を使うのか、それは未だ分からない。原作ではヴィジョンの額にマインドストーンという設定もないようだなので、新たなストーリー描かれるはずである。もしそのマインドストーンを彼から取った時、普段どうりに生きていられるのだろうか。今の段階でヴィジョンからストーンを奪うことはほぼ不可能である、あまりに強すぎるのだ。つまり、「インフィニティ・ウォー」を成立させるには、ヴィジョンが弱くなる必要があるのではないかということを言いたい。そして今回の「ヴィジョン、人間になる」はその伏線であるのではないだろうか。「ハンマーを使えれば、マインドストーンも安心だ」というソーの言葉の裏返しは、ハンマーが使えなくなったときこそマインドストーンの危機であるということだ。ヴィジョンが軽々ハンマーを持ち上げたとき同様、『インフィニティ・ウォー』では持ち上げられない描写があるのだろうか。危機に瀕したヴィジョンにソーがハンマを渡す、しかし彼は持ち上げられずにアベンジャーズが困惑、そんなことをしているうちにヴィジョンにとどめが刺される。そんなシナリオが頭の中に流れてしょうがないのだ。もちろん、サノスが圧倒的な力でヴィジョンをねじ伏せるのならばそれで納得もいくが、今まで通りの強さのヴィジョンが倒せないサノスを、果たして鉄男アイアンマンと、元はもやし小僧のキャップをメインで倒せるのだろうか。他にもソー、ハルクなど多くの強力メンバーはいるが、マインドストーンひとつでビジョン、ワンダ、ピエトロを生み出せたのに、それを6つも集められたら無敵すぎる。果たして額の石を奪われるのか、また奪われた場合ヴィジョンは生存可能なのだろうか。彼自身「この石の正体はわからないが、それでも私の一部だ」と言っている。ならば彼を倒さなければ石は手に入らず、インフィニティ・ウォーは始まらない。つまりサノスはなんとしてでもヴィジョンを倒さなければならないはずなのだ。

今後の展望は?


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ではヴィジョンが息絶えるにはどんなストーリーが考えられるか。そこでいきてくるのが「人間になる」という伏線だ。人間になるということは、弱さを併せ持つということだ。上述の通り人間には欠点があるとヴィジョン自信が言っている。それは時に強さになり、弱さにもなる。その揺らぎが人間らしさなのだ。つまり、人間に近くなったヴィジョンはすでに最強ではなくなっている。ヴィジョンが力尽きるその原因として考えられるのは、人間らしさの弱みに付けこまれる、つまり彼が愛したワンダを狙われる、利用されるというものだ。未だ2作にしか出ていないビジョンであるが、その強さは圧倒的、誰にも負けたことはない、一人を除いては。そう、唯一ヴィジョンを押さえつけたのがワンダである。ワンダとヴィジョンは同じ石から得た力であることで、もともと能力の差はそれほどないと思われるが、ワンダの方は現実改変という言ってしまえばなんでもありな能力である。果たしてヴィジョンが反撃できなかったのかどうかは定かではないが、今の彼にワンダを傷つけることはできないと思われる。

そして、『インフィニティ・ウォー』ではアベンジャーズメンバーが敵側につくという可能性がなくもないかな、と勝手に思っている。例えば石の力を振りかざし、サノスが「ピエトロ」を餌にワンダを引き込む、とかまあそれぐらいしか思い浮かばないのだが。ビジョンという強敵に対して敵が講じるのは当然弱みに付け込む作戦だろう。もしpart1でワンダが敵に寝返りヴィジョンの石を狙うように仕向けられれば、いとも簡単に額のマインドストーンが手に入るのではないだろうか。それはまさに「人間になってしまったヴィジョン」が愛によって弱くなってしまったことに由来する。かつてのように大局的に物事をみれれば、世界が脅かされるかつてない危機に瀕した状況下、額の石を奪われるなんてことには絶対にならないはずである。ワンダを殺してでも阻止するはずだ。その天才的な頭脳、分子レベルでの体密度変化や強烈なビームの能力を持つ彼は恐ろしいほどのチートキャラで、そんな彼がもしやられてしまうとすればワンダの存在、ワンダへの想いが関わってくるのではないかと思うのだ。それが上述のような裏切りによるものか、はたまた守るための自己犠牲によるものかはわからないが、ヴィジョンが意思を持ったAIのままならば、なんとしてでも守ったであろう自分という存在を、目覚めてしまった「人間らしさ」によって犠牲にしてしまう。こうして後の「インフィニティ・ウォー part2」へ繋がるという展望。メンバーの裏切りメンバーの死という絶望的な状況は、二部作の映画の前半として最も望ましいストーリーかもしれない。

とまあ、こんな脈略もない勝手な妄想をぶちまけるだけのページになって、「インフィニティ・ウォー」が公開されれば『なんてバカな妄想だったのだろう』と恥ずかしくなることもある程度見えて入るが、とりあえず書きなぐってみた。絶対的にキーパーソンになるヴィジョンについて考えるのはとっても楽しい。公開されてしまえば妄想することはもう二度とできないので、今の内に色々書いておきたかった。少しでも、「新しい」と思っていただければ幸いだ。では!

『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』今を生き始めたスティーブ。トニーとの関係は?(ネタバレあり!)






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