『インディペンデンス・デイ/リサージェンス』SF色の強いパラレルワールド

インディペンデンス・デイ/リサージェンス

感想・レビュー

[評価]


■脚本:5
■演出:9
■キャスンティング:7
■この映画えらい度:7
■好き度:8
■期待値とのギャップ:7
■総合:8

73

/100

作品情報

原題:Independence Day: Resurgence
2016/日本 上映時間99分 R15+

スタッフ
監督:ローランド・エメリッヒ
製作:ディーン・デブリンハラルド・クローサーローランド・エメリッヒ
製作総指揮:ラリー・フランコ

キャスト
リアム・ヘムズワース:ジェイク・モリソン
ジェフ・ゴールドブラム:デイビッド・レヴィンソン
ビル・プルマン:トーマス・ホイットモア
マイカ・モンロー:パトリシア・ホイットモア
ジェシー・アッシャー:ディラン・ヒラー

[あらすじ]
1996年に製作・公開され、世界中で大ヒットを記録したSFパニック超大作「インデペンデンス・デイ」の20年ぶりの続編。エイリアンの侵略を生き延びた人類は、共通の敵を前にひとつにまとまり、回収したエイリアンの技術を利用して防衛システムを構築。エイリアンの再来に備えていた。しかし、再び地球を目標に襲来したエイリアンの兵力は想像を絶するものへと進化しており、人類は為す術もなく、再度の絶滅の危機を迎える。(以上、映画.comより)

-コメント-


DF-08685r - Bill Pullman reprises his “Independence Day” role of Thomas Whitmore. Photo Credit: Claudette Barius.
DF-08685r – Bill Pullman reprises his “Independence Day” role of Thomas Whitmore. Photo Credit: Claudette Barius.

前作から引き続きのキャスティングで、リアルに20年の歳をとった俳優陣が登場する。かつての戦争から技術を飛躍的に進歩させた人類は月面に基地を作ったりと、リアリティさがあった前作とは大きく違うSF色の強いパラレルワールド的な世界観が魅力。それが評判を呼んだり、悪評に繋がったり、賛否は両論。あなたは好き?嫌い?

-前作とは大きく変わった作風-


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前作「インディペンデンス・デイ」が今もなお傑作として認知され語られるのは当然、脚本や演出が素晴らしく、”全体的に”完成された映画だからだ。つまり、特定の誰かだけが「面白い!」というのではなく、大志を抱く少年も、仕事や世界が嫌になったサラリーマンも、お家で老後を楽しむおばあちゃんもが「面白い」と思ったからこそいわゆる「傑作」なのだ。しかし、20年を経て制作された新作「インディペンデンス・デイ/リサージェンス」はどうだろうか。既に賛否が分かれているところを見ると、少なくとも20年後も「傑作」の位置にいるような作品ではないように思う。この作品が残るのは「未来に残したいSF映画」的集合体だろう。今作は一気に玄人向き映画に仕上がったと思う。というのも、リサージェンスに関して言えば、「脚本を評価し物語に浸る」というよりは「一瞬一瞬のシーンに感動し、演出を褒め称える」映画だからだ。言ってしまえば「トランス・フォーマ」的映画だ。あのシリーズは毎回「ラジー賞」を獲っていて、批判もうけやすく、また批判をしやすい映画でもある。だから好きな映画は?と聞かれ「トランスフォーマー!」というと「あぁ…あれね。(映画好きとか言ってそれかよ)」という明らかな冷笑が返ってくることしばしば。確かに、超絶愛してる映画でありながら、ストーリーに問題を投げかけたいシーンはいくつもある。だが、こういった映画の面白いのは世界観そのものや、機械のギミック、エイリアンの描写にある。そこに信ぴょう性だったり、全体のまとまりだったりを求めだすときりがないことがある。そういう面では確かに劣っているのかもしれないが、コアなファンを生み出す作品こそ「アート」としての映画は完成するのではないか。万人に受け入れられる当たり障りのなかった、「完璧」な映画は、20年の時を経て、SFファンを大いに喜ばせる作品に「進化」して帰ってきたと、私は言いたい。

Positive Point


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正直、最初のトレラーを見た時にはチープな偽物映画の香りさえした。アイアンマンの偽物映画メタルマンやそれこそインディペンデンスデイ/2012のような。しかし、見てみてどうだろう。これが…盛り上がる、盛り上がる。「男の子こういうの好きでしょ」的ギミックや描写が多々!一方でそこが仇になっている感じも否めないが…個人的にはいい意味でやりたい放題。これぞSFディザスター映画のあるべき姿だと思うぐらいだ。

何がよかったか。まず、エイリアンの描写そのものだ。前作で一通り説明が済んだエイリアン。さらに今回は、人間が相手の技術を取り入れたことで、より対等な戦闘が可能になった。だからこそ「リサージェンス」では十分にその生態を描き、防衛戦ではなくしっかりと戦争になっていたのが最高。戦略を練り、弱点をつく。そうした駆け引きが見応えのひとつだろう。しかし、前作とやってることは同じだ。スケールが大きくなってよりSFちっくになったものの、結局は力でねじ伏せるような戦闘で乗り切る。まあ、その辺が賛否の否の部分なのだろうが、あれだけの要素を盛り込めば、どうしたって仕方ない部分もある。そう、もうひとつの良かったところは前回では考えられなかったぶっ飛んだ発想、「他銀河への広がり」だ。冒頭で、「敵」だと思った不思議な球体。それは人類を救うために来た高度な文明を有するはるか彼方の銀河からの使者だった。今まで人類VSエイリアン、だったものが、ここに来て人類&エイリアンVSエイリアンになったのだ。人類をエイリアンが助けに来た?しかもなんだか得体の知れない最強の武器を持っているだって?おいおい、最高じゃねえか!
この展開、あなたはどう思っただろうか。「陳腐なプロットで幻滅」と思った人もいるだろう。しかし一方で、「他にもエイリアンいるの?!」「宇宙戦争じゃ!」と盛り上がった人もいるはずだ。つまり、ここが評価の分かれ目であろう。前作では、ある程度のリアリティを内包し、ぶっ飛びすぎなかったことで「人類VS」というものを守っていた。しかし、今作でついに人類は、我々の知る人類を大きく超越することになるのだ。リアリティもクソもない。これをすんなり受け入れ盛り上がれる人にとっては、全体の演出を含め「傑作」になったのではないだろうか。しかし、「インディペンデンス・デイ」の正当な続編を期待して見に行った人にとっては大きな落胆の要素になったことは間違いないだろう。

(エイリアン。装着シーン。
他銀河への広がり。)

Negative Point


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やはり、物足りなかった部分を挙げるならストーリー自体の無茶苦茶さ、まとまりのなさだろう。まとまっていないと言ってもそれほど雑な作りなわけではない、もちろん。ただ、詰め込んだ要素が多かったのか、「もうちょっと描いてくれ」とか「結局そうなんのか」とか、そんなのが多かった。
最も特筆すべき点は他銀河への広がりが次回へ持ち越されたことだろうか。これは、上記で「良かった点」としてもあげたのだが、その一方で肩透かしを食らったような気がしたのも事実。終盤でその存在が明らかになるならまだしも、中盤の一番いいところで広がりを見せたその設定は次回作を期待させるだけで終わるのだった。正直、巨大なクイーンに苦戦し迫害されたものものたちが一挙に集結、地球軍に加戦し敵を倒す展開を期待した。まして、母船の爆破におけるクイーン抹殺という重大ミッションが失敗に終わり、エイリアンによる地球採掘、コアへの到達が2分を切った時点で、それはほぼ確信にさえ変わっていたのにもかかわらずだ。エイリアンの技術を集結させ、エネルギーシールドまで駆使したのに倒せなかった。その時点で人間による勝利は絶望的だったはずなのだ。しかし、なんだかんだで、主人公と相棒、その他パイロットによる力技による射撃でエイリアンを撃退することに成功したのだった。うーん。いくら弱点を狙ったからといって、背後からの射撃だけで倒せてしまうのは如何なものか。まして、ビル・プルマン演じる元大統領が、「若い世代は、地球の復興にこそ力を注ぐべきだ」と、自ら買って出た特攻隊長も無駄死にに終わってしまったことを思い出すとなんとも切なくなる。ただ、その展開も少しの間忘れてしまうほどの怒涛のラスト、情報量の多い展開は単純に楽しめた。

確かに本作を声を大にして「傑作」とは言えないかもしれない。前作のように広い世代に長く語り継がれることもないかもしれない。しかし、大好きな人も確実にいる作品だ。脚本にこそ問題はあるかもしれないが、何より演出がいい。例えば、「トランスフォーマー・シリーズ」を本気で愛している人には絶対にはまる映画だと思う。「それ、僕だ、私だ」という方は是非劇場の大きなスクリーンでどうぞ。






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