『ダークレイン』結末なんてもういいや!「意識高い系」玉砕映画の爆誕!!

ダークレイン

感想・レビュー

(ネタバレあり)

[評価]


■脚本:5
■演出:9
■キャスンティング:6
■この映画えらい度:8
■好き度:7
■期待値とのギャップ:7
■総合:6

69

/100

作品情報

原題:Los Parecidos
2015/メキシコ 上映時間90分

スタッフ
監督:イサーク・エスバン
製作:イサーク・エスバンミリアム・メルカード
製作総指揮:サロモン・スケナシミリアム・メルカード

キャスト
グスターボ・サンチェス・パッラ
カサンドラ・シアンゲロッティ
フェルナンド・ベセリル
ウンベルト・ブスト
ルイス・アルベルティ

[あらすじ]
雨の中に潜む「何か」におびえて常軌を逸していく人々を描いたメキシコ発の感染パニックスリラー。世界中が記録的な豪雨に襲われた夜。人里離れたバスステーションで、偶然居合わせた8人の男女が立ち往生していた。やがて1人の女性がウィルスに感染したような症状を見せ、正気を失ってしまう。ラジオから流れてくる情報によると、原因不明の伝染病で外でもパニックが起きているらしい。彼らは建物から出ることもできず、1人また1人と感染していき……。監督・脚本は「パラドクス」のイサーク・エスバン。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。(以上、映画.comより)

こちらが予告編↓

-感想(ネタバレあり)-



オープニングから色味の薄い画で、白黒のようなレトロさを感じさせる。手鏡越しに顔を写したりと撮影に関してもとにかくノスタルジック。中盤まではとにかく先が読めず、サスペンス的要素の多い映画。ただ、なかなか進展しないストーリーに途中心が折れそうにもなる。ただ、どうやら具合がおかしくなってゆく待合室の人たち。そこに無造作に投げかけられるヒントらしきキーワード。それらをなんとか繋ぎ合わせようと観客は奮起するわけだが….。つまり、この「答えはなんだろう」というワクワク感が結末に対する不満につながるわけだ。真相はぜひ本編を観て見ることをオススメする。


この映画はズバリ、アイデンティティについて一石を投じている作品である。「これが自分だ」と認識しているものが、他の人と違うとどうして言えようか、というあまりにも残酷なメッセージを内包している。『地球上の生物に同じものなどいないが、全ての生物は同じでもあるのだ』人間から見ればアリは全て同じだが、彼らにとってそれぞれは同じでなどいないという事。これが人間にだけ当てはまらないとはおかしな話で、もっと大きな存在から見れば、我々は全て同じなのだという。全くこんな展開になるとは思いもよらなかったが、実に興味深いテーマで、『ブレードランナー』続編公開が近づくにつれ、最近個人的に自己の存在証明の不確実さなんかを考えたりしているので本当に興味深い話だった。

そんな真面目なテーマを根っこにしながらも、手法はものすごくコミカル。全員が髭面の男(アルベルトだったかな?)になってしまい『こんな姿、誰にも見せられない』と嘆区のだ。しかし本元のアルベルトはたまったもんじゃない。何故かみんな自分になっていくし、その姿を嘆かれるのだから。不思議にもアルベルトはそのことに対し何も反論しないのだが…それも本編を見てからのお楽しみ、という事で。

そんなこんなで、『本物の個性があれば、その異常さに気がつくがそんな奴は一人もいない』と全人類に対し『お前らはアリと同じなんだ』と言わんばかりのこの作品、メッセージ性は強いのに、適度に笑えて強く批判されているきがするわけでもない。ただ、「自分は特別だ」なんて幻想を見事に打ち砕いてくれる作品で、例えば周りに『俺意識高い系なんだ』みたいなちょっとめんどくさい奴がいれば、この『ダークレイン』を一緒に観てやるのもひとつの手かな、と思う。

販売、レンタルは4月5日とあっという間。もう劇場では観られない(はず)のでぜひスケジュール帳にでもメモを…
『未体験ゾーンの映画たち2017』作品のひとつ『ダークレイン』、ぜひご鑑賞を。

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